【 ザ・空撮! 】
2016/09/11
写真の世界が「フィルム」から「デジタル」へ移行して、いつかはこんな時代も来るのかと思ってはいましたが…
京都・中尾写真場でも初めてのチャレンジ!
ラジコンヘリ(ドローン)を使っての空撮を行いました!
3月にはめずらしく、無風・快晴の一日
実は一年前に、高さ50m超からの高所撮影の依頼を頂戴しておりました。
当初は、クレーン車を呼んできて、そのゴンドラから撮影を行う…という計画。
相当ひどい高所恐怖症の写真屋としては、お仕事とはいえ、出来れば避けたいシチュエーション…
…で、思いついたのが、一年前ではまだあまり知られていなかったラジコンヘリでの空撮。
やったこともないし…担当の方には「えっ、...ラジコン...ヘリ…ですか?」と、イマイチの反応だったし…
でも写真屋には、心強い味方がいたのです!
それは...Brooks Institute 在学時代の先輩、伊藤基氏。
彼は写真屋にMacintosh導入を強く薦めてくれた恩人でもあり、また、自分でパーツから組み立てる程のラジコンマニア。
キャリアも20年以上ということで、今回は、伊藤先輩をチーフオペレータに招いての撮影を計画しました。
一年前の3月は天候不順やスケジュールが合わない等の理由で結局実現できずに過ぎ去ってしまったのですが…
今年は仕切り直し、天気予報もしっかり確認して、いざ!決行です!
京都大学のシンボル!時計台記念館
1925年(大正14年)に誕生した時計台は、建築学科初代教授 武田 五一が設計した京都大学キャンパスを代表する建物です。
ゼツェッション的な意匠を随所に留め、その外観は格調高い風格を備え、歴史的にも貴重な存在となっています。
当時最新の鉄筋コンクリート構造を採用し、京大キャンパス内では極めて初期のRC建物になります。
また、ホールの大スパン架構は、アングル・プレートのリベット組立て鉄骨トラス梁となっています。
80年近くにわたって京都大学のシンボルとして親しまれ続けてきましたが、2003年(平成15年)、創立百周年記念事業の一環として最新の免震構法を取り入れた改修工事を終え、外観や内装の雰囲気はそのままに、「百周年時計台記念館」として生まれ変わりました。
工学部土木工学教室本館
1917年(大正6年)竣工の煉瓦造り2階建ての建物。両翼は1924年(大正13年)に増築されています。
大正期の京大の赤煉瓦建築の代表で、白い花崗岩の装飾と大きな窓が特徴です。
京都大学工学部建築学教室本館
京都大学工学部建築学科を創立し、初代教授となった武田五一氏が設計した建物。1922年(大正11年)竣工。
京都大学における最初の鉄筋コンクリート造建築であり、キャンパス内では初めての、瓦屋根を持たない建築物の出現でした。
時計台の撮影とはうってかわって、このシーンは両側に高い建物が建っており、電波状態もあまり良くない…
しかも、そこそこに高い木が飛行空間を制限しているという悪条件…
伊藤オペレータの指先も、心なしか震えてましたね…緊張の撮影でした。
農学部正門上空から、北部構内を臨む
この農学部正門は、1924年(大正13年)に建造。国の登録有形文化財です。
京都帝大建築学科の助教授に着任した森田慶一が、赴任直後に設計した作品ですね。
この正門の通用口の尖頭アーチなど、森田氏が建築学科の学生5名とともに結成した「分離派建築会」の作風を示すしています。
ドイツ表現派のモチーフを採用しつつ、日本瓦を載せた薄手の屋根が頂部を水平に切って、品格を醸し出しています。
それにしても、上に飛んで行ってしまうと、思いがけないほど静か、なんですねぇ。
道行く人がほとんど気づかない...
天候にも恵まれて、撮影は予定通り終了!
クライアント様にも十分ご満足・ご納得いただけるセッションとなりました。
何より、大空を飛ぶヘリを見上げていると、ちょっぴり仕事であるということを忘れて、少年のような気持ちになっていたのは、私だけだったのでしょうか…
撮影後は、伊藤先輩より「中尾君も買っちゃえよ!一緒に飛ばそうよ!」という「悪魔のささやき」…
いやあ、写真屋に出来る映像分野がまたひとつひろがって…この時代に生きていて良かった!という思いですネ。
最近は「官邸落下事件」ですっかり有名になってしまったドローンですが…活用次第でお役に立てることは間違いなし、を確信した一日でした。