【 古いお写真を修復・復元!】
2016/09/07
大切な記念撮影を中心にご愛顧いただいておりますが、撮影以外にも、お写真に関するご相談を色々といただきます。
その中でも、写真屋の大事な大事なお仕事の一つが、「古いお写真の修復・復元」なんです。
状態も良く、大切に保存されてきたことがよくわかります...
今回お預かりしているお写真は、複製のご依頼。
台紙の色あせは致し方のないことですが、
大きな損傷もなく、大切に保存されてきたことがよくわかりますね。
こちらのお写真はご婚礼の集合写真、「昭和十二年拾月参日 吉日」と書かれています。
個人様ご所有のものなので、お写真はちょっとボカシを入れさせていただきましたが、実際はとってもくっきり、技術力も高くきちんとした写真師さんが撮影されたものと思われます。
写真屋さんのネームは、どこにも入っておりませんでしたが...
ところで、昭和12年(1937年)と言えば、いったいどんなことがあった年なんでしょうか?
ちょっと調べてみると...
蘆溝橋事件・日華事変・第二次上海事変などが次々と勃発し、昭和16年(1941年)の日米開戦(太平洋戦争)へと突き進んでいく時代…
関連のあるトピックと言えば、東京で「非常時結婚式」なるものが登場したとのこと。
アルコール抜きで1人当たり1円の予算だったそうです。
物価指数を使って計算すると…当時の「1円」は、現在の「5,285円」くらいだったようですね。
そんな時代でのご結婚式、写っていらっしゃるお一人お一人様の胸中に思いを馳せたり…と、
古いお写真をお預かりするのは、写真屋にとって楽しみでもあり、色々と勉強にもなります。
そして、80年近い時を経ても、人々の風習やファッション、時代背景を伝えてくれる「写真」というものの重みを感じ、
この分野で仕事をさせてもらっていることへの感謝の気持ちが、あらためてわき上がってくるのです。
私どもが現在お撮りしているお写真も、80年後まで様々なことを語り継いでくれるんだろうか…
大切に大切に保管されて、いつまでも多くのストーリーを語り続けてくれる、やっぱりそんな写真の製作を目指さないと!と心から思います。
(1)原板データの作成(複写またはスキャン)
(2)ホコリ除去、基本的な色調補正
(3)破れの修復・キズの修復
(4)ご指定のサイズへの出力
…以上が、おおまかな作業の流れです。
オプションとしては…
「モノクロ写真への着色(ハンドペインティング)」や「特定人物の切り出し」、「背景加工」等があります。
現在はデジタル技術を駆使することで、以前より比較的安価、短納期、そして、より多くの作業が可能になりました。
ご先祖様から引き継がれた大切なお写真、損傷がある場合は、お早めにご相談下さい。
(posted by YN)