京都・中尾写真場 日記

「そうだ!家族写真を撮ろう!」京都大学時計台前、創業百年を迎えた老舗写真スタジオです。

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【 ガラス乾板 】

   

ガラス乾板

ガラス乾板、オリジナル。左上に割れがありますが上手くテープで補修されてます。昭和35年頃の撮影のようです。

なぜだか、最近お問い合わせが増えているガラス乾板

各所で保存されていたものの、そのお取り扱いに困っていらっしゃることも多いようです。

路面営業している写真屋さんが少なくなっていることもあるのでしょうか...

新しいフォトスタジオさんなんかでは、ガラス乾板の存在そのものをご存じない撮影者も多そうで...

私自身も、現在数十枚のガラス乾板を保管しているものの、単に「保管している」という状態です。

正直なところ、実際に撮影に使ったことも、自身の手で現像したこともないのです...

時代的には、私が生まれた頃(昭和37年)には、既にガラスからフィルムへと移行していたようですね...

当店で所蔵している乾板は 16.3x21.3cm のものばかり...

引き延ばしではなく密着プリントで、いわゆる「八切」サイズのお写真を作成していたんですよね...多分。

こんな大きな乾板を使用していたのは、恐らく写真店だけだったでしょうね。

お問い合わせいただいているのはこれの約半分程度の大きさ、手札判名刺判のものが多いようです。

ガラス乾板からデジタル画像への変換作業を行っています

古いお写真には人々のお姿だけでなく、当時の風俗や流行・着こなし等の文化的記録も多く含まれていて、資料としても大変貴重なものだと思います。

そして...当時は決して安価で気軽ではなかった写真撮影、撮影を行われた方のお心に触れるのも、写真屋としてはとても楽しいことです。

お家のどこかに眠っている貴重な記録、是非私にも見せてくださいね。


ガラスであるが故のメリットもありますが、何より落とすと簡単に割れる!これは大きなデメリット!

乾板にまつわる失敗談は、先代より幾度となく聞かされてました。

現代のライトルーム(明室)・ドライプロセスではなく、ダークルーム(暗室)・ウェットプロセスだった当時、現像という暗室作業の後には必ず「水洗」という工程がありました。

文字通り、現像で使用した薬液を水で洗い流す工程で、ガラス乾板時代だけでなく、後のフィルムの時でも同じ、私も経験があります。

現像作業後は流水で約1時間、フィルムを洗う、時々手で攪拌したり水を入れ替えたりする作業...

春〜夏場はまだいいのですが、冬場のこの作業のつらいこと...指先が冷えて悴んで、痛くて感覚もなくなる....

相手が「ガラス」なら、そりゃ落とすこともあったでしょうねぇ...

将来の「変色」や「画像劣化」につながりますので、それはそれは念入りに「水洗」してたのを思い出します。

写真乾板

写真乾板(しゃしんかんぱん、英: photographic plate)とは写真術で用いられた感光材料の一種で、写真乳剤(臭化カリウムの溶液と硝酸銀の溶液をゼラチンに加えてできる、光に感光する物質)を無色透明のガラス板に塗布したものである。ガラス乾板(がらすかんぱん)あるいは単に乾板(かんぱん)と呼ばれる場合も多い。

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