百十年前のお写真
2020/01/09
ご高齢のご婦人がご来店くださり、1枚のお写真を出されました。
「これ、私の母親なのよ〜」
幼い、恐らくは3〜4歳くらいのお嬢ちゃんのお写真。
ご来店下さったお客様は86歳とお伺いいたしましたが、お写真はご自身の姿ではなく、母様のご幼少の頃のものとお伺いしてビックリ!
ざっと計算して、撮影されたのは百年前くらい ...
ルーペでも確認しましたが、しっかりピントもきてますし、カビってもいない、経年劣化はもちろん見受けられますが、変褪色がそんなに進行していない、かなり良い状態にて大切に保管されていたようですね。
ご親戚・ご縁者様で持ち合いたいので、複製して複数枚作成して欲しいとのこと、状態の良い原板写真なので複製作業に全く問題は感じませんでしたが...
「これって何て書いてあるんでしょうね〜」と、そのお写真のウラをみせていただくと、三行程の文字列が。
どうやら...
- 1行目は撮影日(「..... 年 .... 月 .. 廿 .... 日 写 ... 」 あたりまではなんとなく見えたのですが...
- 2行目はさっぱり...??
- 3行目はお名前(モザイクかけさせていただきましたが)かな?
... という感じでした。
「知恵袋」
肝心の日付がよくわからないので、思い切ってWEBサービスにアップしてみることにしました。
よくある「知恵袋」ってヤツですね〜
そうすると、掲載してから2時間くらいで1名の方から以下の様な回答が寄せられました。
「誤読御免ください ...
- 明治四捨四年四月廿六日写之?
- 長女
- ○○○○○ ( ← お客様の母様のお名前) 」
お客様に確認をいたしますと、3行目のお名前はその通りでした!
明治44年4月26日に写されたお写真!!
1910年ですから、今から109年前!!
日露戦争(1904〜1905)と第一次世界大戦(1914〜1918)の間ですよ、もはや、「歴史」そのものですよね〜
知恵袋で解読をして下さった方にも、ホント心から感謝です。
こんな時代じゃなかったら、誰も解読できなかったかもしれません...
それにしても、あらためて昔の写真のつくりの良さに感動を覚えました。
時代は移って今やデジタル写真全盛ではありますが、「撮る心」「創る心」は昔のままでありたいものです。
写真というメディアが百年という時間を超えて運ぶもの、それをしっかり見据えての写真づくりに励みたいと、あらためて思いました。
古いお写真の複製・復元を行っております。
京都・中尾写真場 【 フォトドクター 】へ是非ご相談下さい!!